「神仏は存在する」命拾い、宝くじ当せん
大学時代、三木住職は埼玉県で修行をしていた。そんな中で、のちに世間を震撼させる人物と遭遇する。1993年に起きた「埼玉愛犬家連続殺人事件」の主犯だった男だ。
※投資話などで顧客をだまし、金銭トラブルから次々と殺害。被害者4人の遺体はいずれも主犯格であるペット販売会社役員の男(2009年に死刑判決)の自宅で解体・焼却された上で遺棄された。
「当時、私は修行の合間に犬に癒されたくて、近くのペットショップのブリーダーと知り合いました。ある日、その人に缶コーヒーをすすめられ、こう言われたのを覚えています。“神や仏なんていない”と。その人物が後に事件の主犯だと知ったときは、背筋が凍る思いでした」
のちにその男は獄中で「あの坊主は毒入りの缶コーヒーを選ばなかった。神仏に守られているのだろうな」と語ったという。
2005年に京都・蓮久寺の住職となるが、貧乏生活が続き、寺の維持をするだけで精いっぱいだった。そんな中、怪談説法が次第に知られるようになり、あるときこの出来事を語った。
すると「嘘をつけ。神仏がいるというなら、宝くじでも当ててボロボロの寺を建て直してみろ」と批判されたのだ。
この言葉を受けて三木住職は仏様に願った。
「私の目標は仏教を広めることと、お寺を建て直すことの二つです。自分でも努力しますのでどうかお力を貸してください、と。するとその夜、夢の中に宝船に乗った大黒様が現れて“ばらを買いに行きなさい”とおっしゃった。これは宝くじのことだと直感しました」
翌日、実際にばらで10枚の宝くじを購入。
「当せん発表の前に、お寺を建て直す準備をしようと大工さんに見積もりを依頼しました。借り入れの予定がないと言ったら、大工さんは怒って帰られましたけどね(笑)」
そして、1等の1億5000万円が当せん。「神様と仏様の存在証明になったと確信しています」と、まぎれもなく本当の話なのである。