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 普段、何げなく使っているスマートフォン(以下スマホ)は、今やなくてはならない存在。そもそも10年前はなくても平気だったのに、身近な存在になったのは、便利さと情報処理能力の高まり。それによって私たちは気づかぬうちに本能の退化どころか、スマホによって“老化”しているという。

 女性なら誰もがいちばん気になるのがスマホ使用によって生じるシミ&たるみ。そもそもなんで、スマホを使うだけでシミやたるみができるの? 成城松村クリニックの松村圭子院長に聞いてみた。

「最近の研究で紫外線以外の光が肌に重要な影響を及ぼすことがわかってきました。それが、あなたの肌に至近距離で、長くそして深く差している、スマホから出るブルーライトなんです」

 私たちは、外に出るときに異常なほど紫外線を気にし、日焼け止めを塗りまくり、帽子や手袋、日傘などで紫外線をブロックするのに必死。でも、スマホのブルーライト対策をしている人は少ない。

「特に、スマホをアラームとして使っている人は、起きぬけの柔肌に、紫外線より深く肌の奥底に差しこむブルーライトを浴びているので危険と言えます」(松村先生)

 固定電話、目覚まし時計、デジタルカメラ、パソコン、電車などの時刻表、腕時計、電卓……。気がつけば、これらの電子機器すべてをスマホ1台がまかなっている。

 そんなスマホを見ればみるほど、肌がこわれていくなんて……。ブルーライトの怖い作用について、松村先生はこうも指摘する。

「できればスマホは目的を明確にもって使用したほうがいいと思います。電車でも目的地に着くまでの暇つぶしに使っている人が多すぎですよ。その暇つぶし中でもブルーライトは肌の奥底に浸透し、さらに下を向いて操作するので二重あごにもなります。

 ほうれい線もくっきり出てしまい、表情筋も重力のままに垂れ下がる。そうすると、口角も知らずしらずのうちに下がるので、フェイスラインはたるむばかりです」

 肌への影響どころか、このままでは顔のたるみも出現し、老け顔一直線のおそれも。利便性だけに甘えていると老化がすすみ、取り返しのつかないことに……。

■対策はたった1分の顔面体操

「人は口まわりの筋肉がゆるむと、とても老けて見えてしまいます。ですから、それを予防するには、口輪筋を鍛えるのがいちばん効果的です」

 と、たるみ予防を教えてくれたのは、たるみ改善コンサルタントの加藤ひとみ先生。老け顔の最大の原因は「たるみ」だと言い切る先生は、やはり、スマホも肌のたるみに加担していると危惧する。

「スマホを見るときに、下を向きますよね。そのときに、口角がゆるみ、いわゆる“スマホだるみ”の状態になります。“スマホだるみ”の行く末は、ほうれい線をより深くし、老け顔を作るだけです」

 ただでさえ、“たるみ”や“ほうれい線”を気にするこのごろ。スマホを見ているだけなのに、どんどん老けていくなんて恐ろしい。そこで、先生に“スマホだるみ”にもっとも効果的な顔体操を教えてもらった。

「これを1日2セットするだけでだいぶ、たるみは改善されます。より効果を出したいときは、お風呂でやると血行もいいし、リラックスもできて、さらに効果大ですよ」

 毎日、たった1分。お風呂でも寝る前でも、気がついたとき、職場、どこでもできるこの体操で“スマホだるみ”を解消しよう。

【スマホだるみに効く顔面体操】

(1) 上の唇と下の唇を、力の限り強く押し合い、10秒キープ。口角に力を入れるイメージで。

(2) 唇を、思い切り前に突き出して5秒キープ。小鼻の横の溝をピーンと張り、鯉が餌を食べるときの口をイメージして。

(3) 出した唇を、歯を覆うように思い切り巻き込み、引っ込めるを5秒キープ。

イラスト/アライヨウコ