原因不明の腰痛に悩む人の多くは、太ももの裏側の筋肉“ハムストリングス”が固くなっている可能性が!?(写真はイメージです)

 骨などに明らかな原因があるわけではないのに、慢性的な腰痛に悩んでいる人は多い。原因は、“太ももの筋肉”にあるのかもしれないという。

 腰痛治療のエキスパート西良浩一先生が解説する。

「加齢や運動不足、日常の動作のクセによって筋肉は硬くなっていきます。特に太ももの裏側の筋肉、ハムストリングスが硬い人が多い。

 ここが硬いと前傾したときに骨盤が前に回転しないので、腰に負担がかかる。また、太ももの前面の筋肉、クアドが硬いと、腰を反った際に骨盤が後ろに回転しないため、やはり腰の負担が増える。その蓄積によって腰痛を引き起こすのです」

 ハムストリングスとは、骨盤の下からひざの裏側をつないでいる大きな筋肉。歩いたり、地面を蹴ったりする動作のときに機能し、正常な状態だとゴムのように伸縮する。

 つまり、腰痛改善には太もも両面の筋肉をやわらかくし、骨盤の回転域を広げるのがポイント。そこで、西良先生が提唱するのが拮抗筋の働きを生かしたストレッチ

「拮抗筋とは、逆側にある筋肉のことで、ハムストリングスの拮抗筋はクアドです。クアドが縮むとハムストリングスが伸びる、というふうに拮抗筋は反対の働きをします。

 硬くなった筋肉をほぐしてやわらかくするには、筋肉を伸ばすことが大切ですが、クアドに力を入れて筋肉を縮めると、逆側にあるハムストリングスが反射で伸びようとする。通常のストレッチより、拮抗筋を意識して縮めるストレッチのほうが、筋肉が伸びやすくなり、柔軟性がアップします」