楽しい雰囲気がペットを元気に
「飼い主さんが、イイ女(男)になることが、ペットの長生きにつながるんです」
なんと、ペット自身ではなく、飼い主さんの変化も大事なことなのだとか。
「ある飼い主さんは、寝たきりになった愛犬が心配で化粧もせずに病院を訪れました。そこで、“以前みたいに最近もお酒飲んでる?”って聞いたんです」
飼い主が家でリラックスすることで、ペットが元気を出してくれるというのだ。
「自分に置き換えてみてください。暗い顔をしている人が近くにいたら、どうです? その雰囲気が移っちゃうでしょ?」
先ほどの飼い主さんは、家で好きな音楽を聴いたり、お酒を飲んだりして楽しんでいるうちに、歩けなかったペットが歩き出したという。
「次に来たとき、飼い主さんは化粧をしていましたよ(笑)。人間と同様に犬も猫も、楽しい雰囲気が好きなんです」
若山先生は、通院するペットの運動会やバスツアーなどを定期的に企画しており、参加したペットたちが目に見えて元気になる姿を何度も見てきている。
「“年だから”と家にばかりいないで、外に出て一緒に遊びましょう」
そうしている犬猫の多くがピンピンコロリの人生を送るのだそう。飼い主さんと、楽しい生活を送ることが長生きの秘訣なのだ。
<プロフィール>
若山正之先生
獣医師。若山動物病院院長(千葉県佐倉市)。酪農学園大学獣医学科卒。小動物診療40年以上。犬と猫の老齢管理に力を入れ、病気や介護方法などをわかりやすく説明することで定評がある。著書に『老犬生活 完全ガイド』(高橋書店)