ふくらはぎは、心臓と同じように、血液を体内に循環させるとても重要な役割を担っています。

「ふくらはぎには、筋肉線維と並行してたくさんの血管が通っています。そして歩いたり走ったりすることで、ふくらはぎの筋肉が収縮すると、血管もしぼられ、そのポンプ機能によって心臓から下りてきた血液が再び心臓へと戻されていきます。

 筋肉の収縮が弱くなると、血液が上半身になかなか戻らず、本来、血液によって運ばれる老廃物や毒素も足に停滞し、むくみや心臓の負担増などさまざまな症状を引き起こすのです」

 と語るのは、「足健道」さと足ツボ療術院の院長で、2万人以上の足もみの施術実績を持つ田辺智美さん。

1日たった5分の押しもみが効く!

 全身の血流をよくするために“1日1万歩歩きなさい”とよくいわれますが、ウォーキングをする時間のない人や、病気や腰痛で歩けない人も多いのが現実。そこで取り入れたいのが、ふくらはぎ押しもみ。たくさん歩けない人でも、自分でふくらはぎをもめば、歩いたのと同じか、それ以上の効果を得ることができる。

「ふくらはぎの押しもみにより、全身に血液が巡り、血流が改善すると、代謝が高まります。すると、冷え性が改善されたり、心臓や腎臓の負担が軽くなり、高血圧や心臓病の予防にもつながります。さらに、自律神経のバランスも整うので更年期障害が軽くなることも。総じて、免疫力が高まり病気にかかりにくくなります。まさに“副作用のない最高の薬”とはこのことです」(田辺さん、以下同)

 ふくらはぎ押しもみは、1日5分、ふくらはぎ全体を下から上にもみ上げるだけ。おっくうな日は、なでるだけでも大丈夫。

「テレビを見ながら、おしゃべりをしながらでもいつでもどこでもかまわないので、とにかく毎日ふくらはぎをもむことを習慣にしてください」

 ふくらはぎ押しもみを続けることで、病院通いが減った人も。今日からさっそく実践して、健康な身体を手に入れましょう!

【こんなふくらはぎは要注意!】

□パンパンに張っている
□つまむとカチカチ
□静脈瘤がある
□むくんでいる
□毛細血管が出ている
□さわると冷たい
□なんとなくしびれている
□足首にくびれがない
□指で押すと形がのこるほどむくんでいる
□少し押すだけで痛い

*上の状態は、どれも血流が悪いときに起きる症状。どれか1つでも当てはまる人は、なんらかの不調を感じているはず。今すぐにふくらはぎをもみほぐして血流をよくすることが大切。