睡眠は、美容や健康の他にも意外な影響があることがわかってきた。
科学誌『ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス』に掲載された論文によれば、睡眠不足の人は貯金が減る傾向があるという。
睡眠不足の人ほど無駄遣いが多い脳に
「寝不足になると、脳の行動抑制をかける働きが低下し、衝動的に買い物をしやすくなります。その結果、貯金が少なくなるのです」と教えてくれたのは、作業療法士で、睡眠改善による生産性の向上を提唱している菅原洋平さん。
睡眠と浪費を関連づける行動は、実は日常生活の中でも起こっているそう。
例えばテレビ通販やネットショッピングは、深夜0~2時ごろが一番売れる時間帯といわれており、さほど必要ないものを夜中に思わず注文してしまった……といった経験がある人も多いのでは。
またシフトワークの人が夜勤明けで買い物に行くと、食材を多く買いすぎてしまうといった傾向も。
「これらが脳のセルフコントロール力が落ちている状態です。脳には基本的に、目にしたものに手を伸ばすという反応があるのですが、過去の記憶に基づいて、今は必要ないとか、自分のものではないといったことを判断し、手の動きを制御しています。
そうした神経の働きをワーキングメモリーといいますが、寝不足であるほど、ワーキングメモリーが働かなくなることがわかっています」
つまり、寝不足だと脳がエネルギーの不足状態となり制御がきかず、無駄なものまで手を伸ばし、散財してしまうのだ。
散財しがち!? 睡眠が足りていない人の特徴
すぐに寝落ちする
すぐ眠れる=健康と思いきや、早すぎるのも要注意。ベッドに入って10分程度かかるのが正常で、8分未満で眠りについている場合は、慢性的な寝不足のサイン。
起床4時間後に眠気を感じる
起床4時間後は、本来脳波が一番活発に働く時間帯。この時間帯に眠気があるということは、睡眠が不足している、または質が悪いということに。
家族に合わせた生活を送っている
光や深部体温の調整など、快眠につながるポイントは遺伝子タイプにより個々で異なる。そのため、家族に合わせた生活は自分のリズムが作りにくい可能性大。