目次
Page 1
ー 身体は食でできていると身に染みた大病と極貧時代
Page 2
ー 元気でボケ知らずの100歳を目指す
Page 3
ー 若く!美しく!が長生きにつながる
Page 4
ー ブレインフードとは

 

 NHKのテレビ番組『チコちゃんに叱られる!』で、和がどんなに健康に良いかを解説している健康長寿の達人、永山久夫さん。御年92歳。

 コロナ禍前には月に10回近い講演をこなし、現在もラジオやテレビ出演、執筆活動に大忙し。昨今では海外からの取材も多いそう。

 90歳を超えても現役で多方面に活躍しているスーパー老人・永山さんのの秘訣をぜひ知りたいところ。

「僕は3代続く麹屋の家に生まれましてね。幼いころから家業を手伝って、米を蒸したり、蒸し米に麹(こうじ)菌をまぶしたりしていました。そんな環境でしたから、幼少期は必然的に発酵が中心でした」

身体は食でできていると身に染みた大病と極貧時代

 こうした健康的な事をとっていたものの、戦後に大病を患った。

20歳のころですが結核にかかりました。治療といっても、ただ隔離されて安静にしているだけでね。そんなんじゃあ治りっこない。

 でも死にたくないから、本をたくさん読んで研究して、免疫力を高めようとにんにくや山芋をたくさんべました。それで何とか死なずにすんでね。身体はべるものでできているのだと実感しました」(永山さん、以下同)

 自力で大病を克服した永山さんだが、戦後ということもあり、その後の生活は乱れていった。

「漫画家になりたくて上京し、新宿のアパートの一室に仲間6人で住み始めたのですが、極貧で……。でも少しでも身体にいいものをとろうと、のびる、よもぎ、あかざなど原っぱの草をたくさん採ってきて煮てべていました。草にはポリフェノールが含まれていますから(笑)」

 そのころ、タンパク源が不足していたため、アブラムシやゴキブリをべてみようかと考えたこともあったほど、材に窮していた。

身体の調子が悪いときは、自分の身体を見直すチャンスでもあるのです。僕は若いころに結核を患って、もう病気になりたくないという気持ちが強かったから、とにかく事には気を使った。

 費にお金をかけられなくても、どうにかして栄養を確保しようと考えていた。だからこそ、今こうして健康でいられるのだと思っています」

 そんな永山さんが長年、毎日の事に取り入れている材は「胡豆魚梅参茶(ごまさかうめじんちゃ)」。ごまに大豆、梅干し、ニンジンにお茶。文献や、全国の長寿の県を取材し、導き出した健康だ。

長寿食の基本「胡豆魚梅参茶」
長寿食の基本「胡豆魚梅参茶」

「平安王朝時代からされていたとの文献が多く残る“若返り”で“胡豆魚鶏蒜根”というものもあります。

 ごま、大豆、魚のほか鶏肉、にんにく、大根があげられていますが、医学も発達せず、科学や栄養学もない時代に、これだけ健康成分のある材を積極的にべていた。もうこれは、その時代の人々が、べて実感・実証してきた健康なんですね」

 どれも普段べているものばかり。伝統的和こそ長寿といえるのだ。