新型コロナとの闘いで深刻なマスク不足が続く今、布マスクが注目されています。作り方からお手入れ法まで、暮らし方アドバイザーの野沢恭恵さんにお話を伺いました。

美智子さまは繰り返し使える「布マスク派」

 終息の兆しどころか、長期戦必至のコロナ問題。マスク不足は相変わらず深刻ですよね。「増産している」とはいうものの、薬局の棚はいつもスカスカ。入荷を待つ長蛇の列を見かけると、感染リスクはないのだろうかと複雑な気持ちになります。マスク不足はしばらく続くようで、政府もついに繰り返し使える布マスクの配布を決めました。

 そんななかで、美智子さまが布マスクを使われているという記事を読み、とてもうれしくなりました。お代替わりに伴う転居のため、長くお住まいになられていた皇居の品々の整理をしていたとき、美智子さまは埃よけのために布マスクを着用されていたというのです。どうやら、以前からの習慣のようで、使い捨てではなく、布製のものを洗って、繰り返し使っていらっしゃるとのこと。

 数年前に、現在の上皇陛下がインフルエンザの診断を受けた際もマスク姿で看病されたとのことですから、それもきっと布マスクだったのではないでしょうか。

 かつて、マスクといえば布マスクでした。たしかに、布マスクの感染防止効果には否定的な意見もあります。使い捨てではないことで、衛生的に保てるかどうかも気になります。

 とはいえ、使い捨てマスクが手に入らない以上、しないよりはずっといい。咳やくしゃみの飛沫を自分から飛ばさない。また、ウイルスのついた手で顔を無意識に触れることで高まるといわれている感染リスクも防げます。洗って繰り返し使えるのでマスクが足りなくなる心配もありません。実際、厚生労働省も布マスクの使用を推奨し、現場の医師たちも「完璧ではなくても防護壁にはなる」と肯定的です。

 医療関係者はもちろん、風邪や花粉症の人など、マスクが必要な人たちはたくさんいます。その人たちに生産されたマスクが行き渡るようにするためにも、症状がないのであれば、布マスクの使用を心がけてみませんか。

 美智子さまに思いやりと心遣いを学び、実践していきましょう。