さらに深く呼吸をするためには肺を大きく膨らませる必要がある。グッと膨らませるには筋力が必要となり、関わってくるのが横隔膜だ。
「人間の身体でいちばん大きな筋肉が横隔膜です。深呼吸をすれば、この大きな筋肉が動くのだから、エネルギー代謝として熱を発し、体温を上げる効果があります」
体温が上がれば、血流がよくなり、免疫力の向上がのぞめる。
息を止めると肺の容量が格段にアップ!
今津さんが提唱するのは、ゆっくり吸ったら息を止める“息止め深呼吸”だ。
「吸いきったあとに息を止めると、止めている間も肺は広がっていき、肺を隅々まで広げることができます。肺が広がれば、呼吸のスペースが広がり、横隔膜もより大きく動けるようになるのです」
実践してみると、身体が温かくなるのを実感できる。数分も続けていれば、汗ばむほどだ。
「3回ワンセットが目安。トイレの中でもテレビを見ながらでもいいので、毎日の習慣にしてみてください。姿勢がよくなり、ダイエット効果も期待できますよ」
【息止め深呼吸のやり方】
1~3を3セット行う。1日に何回やってもOKです。
1. 普通に深呼吸
ゆっくり鼻から息を吸って吐き出す。吐き出すときは、鼻と口、どちらからでもよい。座っていても立って行ってもOK。また、手はどこにおいても大丈夫。
2. 吸ったら息を止めて
1のときよりもゆっくりと、たくさん鼻から息を吸う。2~3秒、息を止め、1よりもゆっくりと息を吐き出す。
3. 可能な限りゆっくり深呼吸
2のときよりもさらに長い時間をかけて、ゆっくり鼻から息を吸う。可能な限り息を止め、2よりもさらに長い時間をかけてゆっくり息を吐き出す。
(取材・文/樫野早苗)
《PROFILE》
今津嘉宏さん ◎芝大門いまづクリニック院長。病状のみでなく、その人を取り巻く環境や性格にも留意し、患者の心に寄り添う医療を実践。『病気知らずの名医が食べている 長生き朝ごはん』(ワニブックス)など著書多数。