年金っぽい金融商品を買ってはいけない!

 世の中に蔓延する年金不安。そこにつけこんだ“年金”を名のる商品は少なくない。年金のように分配金を受け取れるものなどがそう。

「それら年金っぽい金融商品に惹かれがちですが、買うべきではありません。代表格は『毎月分配型投資信託』と『個人年金保険』。どちらも資産を増やすのには不向きなのです」

 毎月分配型投資信託は、運用によって得られた収益が分配金として投資家に“毎月”支払われるタイプ。

「通常の投資信託の場合、収益を還元せず再投資されるため、利息が利息を生む複利効果が得られます。でも毎月分配型投資信託だとその効果はない。しかも、分配金にはそのつど税金もかかってきます」

 前述したつみたてNISAやイデコの制度で買える投資信託なら毎月分配型タイプはなし。したがって、安心して資産を増やせるというわけ。

低金利時代の今、選ぶと損する商品は

 一方の個人年金保険は、保険の保障より年金方式で給付金を受け取れることが魅力とされる商品。だが……。

「将来受け取れる年金額が契約時の利率で固定されるため、今の低金利時代はあきらかに不利です。しかも多くの個人年金保険は中途解約すると元本割れになります」

 代わりに国民年金基金やイデコの利用を推奨。税制上のメリットが大きいからだ。

「優れているのは掛け金全額が所得控除となり、税金を安くできること。個人事業主なら最大年間81万6000円と個人年金保険の所得控除(年間6万8000円)の12倍、普通のサラリーマンでも最大年間27万6000円と約4倍の税制メリットがあります」