《浜辺美波が可愛いだけで脚本も演出もクソチープ》
SNSでも出演者を褒める声は多いものの、ストーリーや演出を残念がる声が多い。
「浜辺さん演じる主人公は“それ、誤診です!”と指摘はするものの、実際に手術をするのは別の医師。天才的な女性医師が活躍する『ドクターX』を見たあとだと、モヤモヤしてしまいますね。悪の組織らしき人々が主人公の居場所を突き止めて追ってくるシーンがありましたが、少し怪しまれただけで、すぐに退散するのもおかしい(笑)」(神無月さん)
今期だけで3本もある「秋元康」ドラマ
視聴率では苦戦しているものの、好意的な意見が多く見られるのが堤真一主演の『妻、小学生になる。』(TBS系)。10年前に亡くなった妻が生まれ変わり、小学生になって現れる……というファンタジーな家族再生物語だ。
「石田ゆり子さん演じる妻の生まれ変わり役を子役の毎田暖乃さんが演じているのですが、石田さんに見える瞬間があるぐらい演技が抜群。ほかにも神木隆之介さんや吉田羊さんなど好みの役者がそろっているのに加え、優河さんが歌う主題歌も作品にマッチしていて心をつかまれています」(吉田さん)
前出の神無月さんは、東海テレビが制作する『おいハンサム!!』(フジテレビ系)をイチ推しに挙げる。
「主演の吉田鋼太郎さんのプロモーションビデオかと思えるほど、彼の魅力を生かした作品になっていますね。性格も愛情深さもまさに“ハンサム”で、娘の危機にはステテコにパターを握りしめた“変態ルック”で駆けつけようとする姿も愛おしい。私もあんな父の娘に生まれたかったです」
吉田さんは、アロマンティック・アセクシュアル(恋愛感情も性的欲求も抱かない)の男女を描いた『恋せぬふたり』(NHK)を評価する。
「世間一般ではマイノリティーに括られる人々をテーマにできるのはさすがNHKという感じですよね。この作品を見ると自分がいかに多数派で、恋愛に限らず、自分の感覚を他人に押しつけてしまっていたかと反省します」
民放では扱わない“非恋愛ドラマ”として楽しんでいるようだ。
「トランスジェンダー女子を描いた『女子的生活』、腐女子とゲイ男子を描いた『腐女子、うっかりゲイに告(コク)る。』、に続く三部作というイメージ。今回の作品もそうですが、高橋一生さんは人と距離を置きたいけれど、決して世捨て人でもない……という役柄を演じさせたらピカイチですね」(吉田さん)
吉田さん、神無月さんがともに指摘したのが、秋元康作品の多さだ。今期は2クールをまたいで放送中の『真犯人フラグ』(日本テレビ系)のほか、『ユーチューバーに娘はやらん!』(テレビ東京系)『もしも、イケメンだけの高校があったら』(テレビ朝日系)と、3作品で企画・原作を担当している。
「秋元さんに頼りすぎているテレビ業界は、問題だと思います」(吉田さん)
人気漫画の安易な映像化や人気作家への依存度を減らすことが、ドラマ業界を盛り上げる近道かも?