「ひざのお皿浮かし」で痛みが軽減
そこでひざ痛改善のために高林院長が着目したのが膝蓋骨、つまり“ひざのお皿”だ。
「ひざのお皿はひざを曲げ伸ばしする際に、大腿四頭筋という4つの筋肉の収縮と伸展を脛骨に伝える滑車の役割を担っています。つまり、ひざのお皿を柔軟に動くようにすれば、4本のロープを通した“動”滑車同様、ひざにかかる負荷を4分の1まで軽減するのです」
また、ひざが痛いためにひざを伸ばしきれないでいると、ひざのお皿が大腿骨を圧迫することにつながるという。
「ひざのお皿が大腿骨を圧迫すると、お皿と大腿骨の間の関節である膝蓋大腿関節に炎症が起こります。また、大腿骨と脛骨で構成されるひざ関節にも悪影響を与えることは否めません。つまり、炎症箇所がひざ関節、膝蓋骨関節のいずれであっても、まずはひざのお皿の圧迫をとることが大切なのです」
そこで、紹介したいのが「ひざのお皿浮かし」だ。ひざのお皿を圧迫している方向とは逆方向に浮かせて動かすだけの超カンタンな方法。長座の際にひざ裏が床につかない、痛みがすでにある、さらに効果を実感したいなら、ひざ裏伸ばしのストレッチも同時に行ってほしい。
ひざのお皿はどうして大事?ひざの痛みと関係があるの!?
ひざのお皿は動滑車のような役割を果たし、ひざにかかる負担を軽減(約4分の1)する。ひざがまっすぐに伸びきらない場合、ひざのお皿の大腿骨方向へ圧迫が起こり、膝蓋大腿関節(ひざのお皿と大腿骨間の関節)が炎症を起こし痛みを生む。
お話を聞いたのは……アスリートゴリラ 鍼灸接骨院院長 高林孝光先生●鍼灸師・柔道整復師として延べ10万人以上を施術。有名アスリートや著名人の治療実績も豊富。日本テレビ系列『ヒルナンデス!』肩こり特集で〝全国の6人の治療家〟の1人に選出されるなどメディア出演多数。『ひざ痛がウソのように消える!ひざのお皿エクササイズ』(CCメディアハウス)ほか著書多数。
<取材・文/松岡理恵 イラスト/長田直美>