指を入り口で1分クルクル セックス並みに効くセルフケア
膣の緩みサインの代表格、尿漏れ。尿道を締める骨盤底筋群の衰えは運動不足のほか、スマホをトイレで見続けるなど、同じ姿勢を取り続けることでも起きる。また、膣の壁の薄さも原因となる。
そもそも膣の壁とは、膣の粘膜のこと。それを構成する成分のひとつがコラーゲンであり、生成を促すのが女性ホルモンのエストロゲンなのだ。女性ホルモンは20代をピークに分泌量が減少。50代になるころには“膣の壁”も薄くなり、空洞部分が広がってしまう。
「この膣の壁が薄くなると、その上にある子宮がわずかに傾くことがあり、臓器を圧迫するという説があるんです。その傾きが前であれば膀胱(ぼうこう)を圧迫して尿漏れや頻尿に。後方であれば、今度は腸の働きが悪くなり、便秘の一因になってしまうというわけです」
入浴後に膣からお湯が出て下着を濡らす“お湯漏れ”も、空洞が大きくなり起きる現象だ。
“膣トレ”と食事で緩みに勝つ!
加齢のためとあきらめがちな尿漏れやお湯漏れ。しかし、骨盤底筋群を鍛える運動習慣とコラーゲンを増やす食生活で予防可能だと櫻井さんは断言し、インスタグラムで、“膣トレ”を発信。「横向きに寝て脚を上げ、クルクル回す」ものや、「ながら膣トレ」など簡単なものが多いので、ぜひ実践を。
「下半身の筋肉を鍛えることは“膣活”だけでなく、自分の足で歩き続け、健康寿命を延ばすことにもつながります。50代以上の方にはぜひやっていただきたいですね」
食事では、コラーゲン生成に必要な栄養素、鉄、亜鉛、タンパク質、ビタミンCをたっぷりとること。
「50代以上の方なら婦人科で相談し、必要があれば女性ホルモンの補充を受ける方法もあります。エクオールをサプリでとるのもよいでしょう」
また、血流がよくなれば細胞に栄養が行きやすく、コラーゲン生成にもつながる。入浴はシャワーだけではなく、夏でもお風呂につかって身体を温めたいもの。
膣マッサージが筋トレ効果を高める
“膣トレ”の効果をさらに高めるのが、“膣マッサージ”だと櫻井さんは解説。
「筋肉はこり固まった状態では鍛えられません。まずはほぐしてあげることで筋肉量アップにつながります。“膣トレ”で鍛える骨盤底筋群は骨盤の内側にあるため、ほぐすには膣の内側をマッサージするのが効果的なのです」
やり方は、オイルを清潔な指につけ、第一関節まで膣の入り口に入れて1~2分クルクルと回すだけ。
「オイルは『デリケートゾーン用』といった曖昧な書き方をしている商品ではなく、『膣の中まで使用可』と明記されているものを選んで」
というのも、膣の経皮吸収率は、皮膚の42倍!成分が浸透しやすく、顔よりも注意を払うべきパーツなのだ。
全身の血行がよくなっている入浴後にやるのもおすすめだ。ただし、生理中や体調が悪いときは避けること。
「このマッサージで膣が緩くなることはないので、ご安心を。もちろん性行為自体にもマッサージ効果があるので、膣老化を防ぐには効果的なんですよ」
膣をゆるゆるにするNG習慣
×運動不足
×長時間のデスクワーク
×トイレでスマホを長時間見る
×入浴はシャワーだけで済ませる
×脚を組むクセがある
“膣の壁”の状態も尿漏れに関係する
正常な状態。加齢とともにコラーゲンの生成が減少すると、膣の壁も薄くなる
→膣の壁が薄くなり空洞が広くなると、子宮が傾いて膀胱を圧迫。尿漏れの原因に