「大きい病院で治療」が安心
がんの治療は、身近な病院より有名な大病院で受けたほうが安心な気がするが……。
「名のあるブランド病院のほうがスタッフ数は多く、医療機器や設備もそろい、何より手術件数も多い。でも、必ずしも手術件数イコール手術の腕がいい、手術のレベルが高いということにはなりません。
なかには、やりやすい平均レベルの手術ばかりを選んで件数を稼ぐ病院もあります。大事なことは、その病院には困難な状況でも治せる手術ができるエキスパート外科医がいるかどうかです。とりわけ難治がんの手術は技量の差が大きく出ます」
難治がんの明確な定義はないが、大場先生が示すのはステージ2から3になると5年生存率が50%を切るがん(下記)。
主な難治がん
食道がん、肝臓がん、胆道がん、膵臓がん、肺がん、卵巣がん
「特に最近急ピッチで増えている難治がんは膵臓がんですが、手術件数のみで選ぶのではなく、質の高い手術で定評がある医師を探してください。そうした医師がいる病院は、手術のみでは限界があることをふまえて抗がん剤や放射線治療を組み合わせた治療体制を整えています」
今はチームによる治療戦略が重視される時代。ゴッドハンドを持つ名医が孤軍奮闘するだけでは、最善の医療は見込めない。