習慣8:笑う習慣で免疫細胞を活性化

「笑いにはどんな治療より効果がある」と語る船戸先生。

 免疫細胞のリンパ球の一種に、がん細胞やウイルス感染細胞などを攻撃する「ナチュラルキラー細胞」がある。笑いの作用によって、この細胞が活性化することが実証されているという。

「家族や友人とコミュニケーションをとり、大声で笑うのももちろんいいですが、面白いことや楽しいことがなくても口角を上げて『ニッ』と笑うだけでも効果はあります。

 がん患者さんはまじめな人が多いので、笑いが足りていないのが現実。腹が立ったときでもイライラしても、あえて笑ってみてください」

 泣くという行為も効果的。大切なのは我慢せずに感情を外に吐き出す習慣だという。

「感情をこらえるのはとにかくダメ。大いに笑って泣いて、感情をため込まない生活をすること。我慢することは心身のストレスにつながり、がんを大きくしてしまいます」

習慣9:温活で体温を上げてがんが嫌がる環境にする

がん患者さんには低体温の人が多いです。低体温の体内はがんにとって居心地がいい環境です。それに対して、がんを取り締まる免疫細胞のリンパ球は体温が1度上がると活性が40%上がります。

 ところが、私はがんになる以前、こういった基本的なことを軽視した生活を送っていました。『加温』のことなど、みじんも考えない生き方だったのです(苦笑)」

 いまは身体を冷やさないために、エアコンが効いている部屋では足首が隠れる靴下をはき、特に下半身を冷やさないように気をつけているという。

「夏はキンキンに冷えた冷たい飲み物やアイスクリームなど、内臓を冷やす食べ物を避け、冬は腹巻きやスパッツで身体を冷やさない工夫をしましょう。習慣7で紹介した運動も、体温を上げる手段のひとつです」

 さっそく実践したい。

船戸崇史先生●船戸クリニック院長。日本消化器外科学会認定医。西洋医学を中心に東洋医学や補完代替医療を取り入れ治療を行う。著書に『がんが消えていく生き方』など。
船戸崇史先生●船戸クリニック院長。日本消化器外科学会認定医。西洋医学を中心に東洋医学や補完代替医療を取り入れ治療を行う。著書に『がんが消えていく生き方』など。
【写真】リタイア世代におすすめの“16時間断食”習慣とがんが嫌う食べ物一覧
船戸崇史先生●船戸クリニック院長。日本消化器外科学会認定医。西洋医学を中心に東洋医学や補完代替医療を取り入れ治療を行う。著書に『がんが消えていく生き方』など。