飲んだ後、ラーメンが食べたくなるのはなぜ?

 お酒を飲んですっかりいい気分♪そろそろ家に帰ろう、そんなときになぜか無性にラーメンが食べたくなったり、しかもそのラーメンがいつも以上においしく感じられることはないだろうか?

「実は、これにはちゃんとした生理学的な理由があるんですよ!」

 ラーメンスープを豚骨でとる店は多いが、秘密はこの「豚骨」に。

「豚骨スープに含まれるうまみ成分のイノシン酸には、なんとアルコールを中和する働きがあるんです」

 お酒を飲んで血液中に溶け込んだ多量のアルコールによって、身体は無意識にそれを中和するイノシン酸を欲し、お酒を飲んでいないとき以上にラーメンの香りに惹かれたり、おいしいと感じてしまうわけ。

ラーメン屋台と夜空に響くチャルメラの由来

「ドレミ〜レド ドレミレドレ〜♪」

 インスタントラーメンがまだ普及していない昭和30年代。「これを聞くと無性にラーメンが食べたくなった」と懐かしそうに語る団塊世代には「チャルメラ」でおなじみのメロディー。

昭和30年代に札幌で実際に使用されていたチャルメラ。西山製麺所蔵
昭和30年代に札幌で実際に使用されていたチャルメラ。西山製麺所蔵
【写真】ラーメン屋台に必須の「チャルメラ」、由来となった楽器があった!

 実は「チャルメラ」、曲名ではなくこの旋律を奏でる楽器の名前が由来だって知ってた?

「16世紀末の安土桃山時代、南蛮貿易が盛んだったころに、ポルトガルから渡来したオーボエの祖先といわれる木管楽器がありました。ポルトガル語で“チャラメラ”と呼ばれる楽器が、いつの間にか“チャルメラ”となったそうです」

 渡来当時は「南蛮笛」と呼ばれ、明治時代には中国人の飴売りが使っていたので「唐人笛」とも呼ばれていた。石川啄木も『一握の砂』の中で《飴売のチャルメラ聴けば うしなひし をさなき心 ひろへるごとし》と詠んでいる。

「中華そば屋台でチャルメラが使われるようになったのは、明治30年代後半の横浜が最初だとか。大正時代には東京でもチャルメラを吹く移動式屋台があちこちあったそうですが、今は見なくなり寂しいですね」

あまり見かけなくなった移動式のラーメン屋台。
あまり見かけなくなった移動式のラーメン屋台。