「僕の冬の楽しみはスキー。1シーズンに50日はスキーへ行きます。安定した滑りには筋肉が必要なので、1年くらい前から奥さんと一緒に週2回のジム通いも始めました。今、75歳で62.5kgのバーベルをあげられます。奥さんは73歳で30kg。朝食で意識的にタンパク質をとり、トレーニングをした結果だと思います」
冬は50日スキーをする!驚異のスタミナを支える「朝タン」生活
健康長寿のためには、筋力の保持が第一と考える鎌田實先生(75)。特に、朝食でタンパク質をとる“朝タン”を推奨し、自身の食生活でも実践している。
「1日の活動の前にタンパク質を摂取しておけば、筋肉を合成しやすくなる上、身体がエネルギー不足に陥って筋肉を減らしてしまう心配がありません。日本人は60代以降にタンパク質不足による筋力低下からフレイル状態になる可能性が高いですが、それに対抗するために、朝食が大きな役割を果たしてくれます」(鎌田先生、以下同)
鎌田先生の朝食には、乾燥大豆と白米を1対2の割合で炊いた「大豆ごはん」や卵料理をはじめ、調理が手軽なサバ缶、オイルサーディン、カニカマを使った高タンパク質メニューが並ぶ。また、朝食自体の量も多くするように心がけている。
「目標は、朝4:昼4:夜2。必要なタンパク質量をとるためには、朝からしっかり食べることが必須。65歳を過ぎたら、少し太ったとしても、朝と昼はタンパク質をとることを優先してよいと思います。そして夕食は軽めにというのが理想です」
さらに、食事時間にもこだわりが。夕飯は5時半、翌日の朝食は8時半くらいに食べることを習慣にしている。食事の間を16時間ほど空けて身体を一時的に飢餓状態にすることで、新陳代謝を活発にし、認知症を引き起こすとされるアミロイドβというタンパク質の一種を減らすことができるという。
「今の食生活を続けて50年。70歳を過ぎても体力には自信を持っています。国内や海外旅行も楽しんでますし、80歳になっても温泉に泊まって、90歳になっても日帰り温泉やコンサートに行けたら最高! そのために、無理なく“朝タン”を続けていきたいですね」