昨年から月に1~2度、合気道にも通い始めた。そこで用いる“気”が看護の現場で役立つといううれしい発見も。
「例えば、自分より大きい患者さんを持ち上げるとき、“気”を使えば楽にできるんです。それに、いくつになっても頭脳も体力も向上できると体感できた。年を取るとだんだん下り坂だと思ってしまいがちでしょう?
でもあきらめずにやっていたら進化もすると思っています」
年齢を気にせず夢を抱き続ける
川嶋さんは「年を重ねる=老い」とは考えていない。
「高齢になると『おばあちゃん』『おじいちゃん』と呼ばれる機会が出てきます。お孫さんに呼ばれるならうれしいでしょうが、『年寄り』であることを実感させやすい言葉ですよね。
実はそう呼ばれて急激に老けてしまう人もいます。年齢が上がれば衰えはあるけれど“老いる”わけじゃない。老いを認めると加速度的に老化が進むんです」
すべては心の持ちよう。川嶋さんは60代、70代はまだ少年・少女だと捉えている。
「若いか、年寄りかは自分自身が決めるんです。自ら老いてしまうのはもったいない。それに年齢は武器にもなります。私より年下の人は年齢を言うと、私に一目置いてくれるんです(笑)。今は率先して年齢を伝えています」
捉え方をポジティブにすれば見方が変わる。自分らしく生きていくため、パソコンやインターネットを活用したり工夫しながら働き続けていると話す。
今も看護の力をもっと活用し、患者にとって医療の現場をよりよくするため、さまざまな提言を続けている。
「人間には年代や経験に応じた役割がある。なかなか実現できなくても、『自分にできること』をこれからもあきらめないで挑戦します。やりたいことを続け、『あれもできた』『これもやった』とやり切って死にたいですから」