目次
Page 1
ー ノールック流しはNG!便の変化に注目を
Page 2
ー 女性は身体の構造上、便秘になりやすい
Page 3
ー 便秘の放置は危険!命に関わるリスクも
Page 4
ー 知っておきたいうんちの『3のルール』

「日頃から自分の便を見る習慣をつけておくことで、早めに体調の変化に気づくことができます」

 と語るのは、呉市医師会病院排便ケアチーム「POOP(プープ)」の代表で、“うんち先生”として排便の啓発活動を行っている、大腸・肛門外科医の藤森正彦先生。

ノールック流しはNG!便の変化に注目を

 近年は洋式トイレが普及した影響もあり、排便後に便を確認せず流してしまう人が多いが、便は単なる食べたもののカスではないという。

「正常な便の約80%は水分で、残り20%が、食べ物のカス、腸の壁が剥がれたもの、腸内細菌が3分の1ずつという割合になっています」(藤森先生、以下同)

 この割合を基準に、水分が少なければ便秘、多ければ下痢(げり)になる。さらに、食べ物が消化され、便となるまでの過程で体内に異常があれば、色やにおいの変化が現れる。

「例えば、加齢やストレス生活習慣の乱れなどにより腸内環境が悪くなると、便のにおいが強くなります。また、便の色が茶色いのは胆汁によるもので、何らかの病気で胆汁が出ないと便の色は白くなります。

 さらに、がんや潰瘍などで出血があると、黒い便が出ることも。特に血液が混じる血便は危険。気づいたらすぐに消化器内科を受診しましょう」

 日常的に起こる下痢や便秘も、甘く見るのは危険。

「下痢は、食あたりなど1日から1週間でおさまる場合はさほど心配ありません。しかし、1週間以上続く場合は、重大な病気が隠れている可能性が。免疫異常により腸に炎症を起こす潰瘍性大腸炎やクローン病などが考えられます

 他にも、急に便通が悪くなった、便が細くなったなど、急な排便の変化は要注意。

「特に45歳以上で急な症状が出るのは、がんの疑いも。そもそも便秘症状があるだけでも、放置すれば寿命が短くなるというデータも出ています。まずは毎日自分の便を見る。日頃からしっかり“観便”することが大切です」

うんちの中身は、水分約80%
 残りが食べ物のカス、剥がれた腸のカス、腸内細菌が1/3ずつで構成
 水分の量が少なくなると便が硬く小さくなり、多いと軟らかく量も多くなる。健康状態や腸内環境が反映される

うんちの中身
うんちの中身