実際に海外の論文でも、中年期から大豆などの植物性タンパク質を多くとる人は、そうでない人に比べて長寿であるという研究結果も発表されている。

「私も日頃のタンパク源は魚や大豆が中心で、牛肉や豚肉を食べるのは週1回程度。量もかなり少なめです。あとは孫が遊びにきたときに食べるぐらいですね。焼き肉や揚げたトンカツはもう何年も食べていません」

 その代わりに、家では奥さまが調理した大豆ミートの料理を食べることが多いそう。

「麻婆豆腐などはひき肉で作るのとまったく変わらずとてもおいしいですよ。あとは大豆ライスも好きですね。お鍋の最後の雑炊は大豆ライスのほうがずっとおいしく仕上がりますよ。

 それから大豆で作ったヨーグルトも毎日食べます。食べやすいので、豆乳が嫌いな人にもおすすめですね」

水溶性食物繊維で腸内環境を整える

 また内藤先生は、ソーセージや砂糖も食べないようにしているという。

ソーセージなどの加工肉は絶対に食べません。WHOは、加工肉を発がん性が確実にあるとされる『グループ1』に認定しています。どうしても食べたい場合は魚肉ソーセージを選ぶといいでしょう。

 また砂糖の摂取は、大腸がんに関係することが研究によってわかってきています。コーヒーショップの砂糖がたくさん入った甘いドリンクなどは、健康には毒といってもいいと思います」

 代わりに内藤先生が積極的にとっているのが、京丹後の人たちも欠かさない水溶性食物繊維。食物繊維には水溶性と不溶性があり便通には両方が欠かせないが、善玉菌のエサになりやすいのは水溶性だ。

「私は食物繊維をたくさんとれるように、豆乳やバナナ、食物繊維の粉末サプリなどを入れたスペシャルスムージーを毎朝欠かさず飲んでいます。日本人はどの世代も食物繊維が不足していますから、ぜひ試してみてください。

 ただし、市販のスムージーには保存料や砂糖などがたくさん入っているのであまりおすすめはできません。家で作るのとはまったく別物だと考えてください」

 重要なのは腸内環境をいかによくするか。善玉菌が喜ぶものを積極的にとり、悪玉菌が喜ぶ食べ物はできるだけ避けることが健康長寿の秘訣なのだ。

内藤先生が“食べない”もの イラスト/幸内あけみ
内藤先生が“食べない”もの イラスト/幸内あけみ
【写真】内藤先生の奥さま特製!「ひじきと大豆の煮物」と「金時豆の煮物」

※持病のある方はかかりつけ医に相談のうえ、実施してください