体形はいわば運動と食事の通信簿
30秒以上はやらなくていいというのも、今まで運動習慣が身につかなかった人にとってはうれしい。
「回数をこなすことや長くやることを目標にすると、キツくなってフォームが崩れやすくなり、効果が薄れたり身体を痛めたりする原因になります。むしろ、30秒間、自分のペースで猫背にならないように意識してやるほうがひざや足首への負担が少なく、筋肉への効果は高まります」
30秒やってみて、もし余力があったら休憩を挟んでもう30秒やってみる。この積み重ねが大事、と吉原先生。
「最初の敷居を低くすることで続けやすくなり、ムリなく習慣化していきます。1日30秒であれば2~3週間で習慣化していきます。すると、知らないうちに筋力がついて身体も変わっていきます」
スッと楽に立てるようになったり、ひざの痛みの緩和にもつながる。
「ひざや腰などに痛みがあるからと運動をしないと、筋肉はどんどん落ちてしまい症状の悪化を招きます。変形性膝関節症などは、大腿内側広筋という太ももの筋肉の一部を鍛えることで、痛み止めの薬を飲んだのと同じ効果が表れることがわかっています。
痛みのある方は、ひざへの負担の少ないイススクワットを試してみるのがおすすめです」
特に今回は、運動不足や筋力の少ない読者でもムリなく安全にできるやり方を紹介。毎日続けることで、基礎体力が高まり見た目も健康的に引き締まっていく。
「体形は、今まで運動や食事改善をどれだけやってきたかという通信簿です。通信簿の数字を良くしたいなら、生活を変えないとダメ。その第一歩としてまず、30秒から筋トレを始めてみませんか」
体験者の声「筋肉はいくつになっても裏切らない」
都内の一軒家で暮らす86歳のAさんは「1日30秒、これなら家の中だけでできる」と一念発起し、筋トレを開始。最初は、深く座ろうとすると尻餅をつきそうになったり、呼吸を合わせるのも難しかったそう。
でも、「筋肉は何歳になっても鍛えられる」と信じて日に2回を日課に。3週間も過ぎるころには太ももの前側にハリが出て、さらにほかの筋トレも組み合わせたところ1か月後には太もも全体が引き締まったそう。筋肉を信じて早速トライ!