乾燥以前に、汚れがしっかり落ちていない、と気づく人も多いという。

クリニックでは診察前にビデで洗浄してもらうのですが、トイレットペーパーの切れ端が外陰部、いわゆるヒダの間に残っている人も少なくありません。それは普段からゴシゴシと、デリケートゾーンにダメージを与えながら汚れが残りやすい拭き方をしている証拠。“小”をした時は、ペーパーを押し当てて水分を拭きとる“押し拭き”をして、ペーパーの切れ端が残らないようにしましょう

60代以上の女性の10人に1人が子宮脱を含む骨盤臓器脱に

 さらには、尿や汗、おりものなどに含まれるタンパク質から、できる“恥垢”が残っていることも……。

毛細血管が老化することで性器も萎縮するため、シワやたるみが深くなり、そこに恥垢がたまります。においの原因になるので、しっかりとヒダの間まで見て洗い、やさしく丁寧に汚れを落として

 鏡で見て正常な状態を知っておくと、トラブルに気づきやすいという。

ピンク色のボールのようなものが膣の入り口あたりに見えたら、子宮脱を起こしている可能性が高いです。60代以上の女性の10人に1人が子宮脱を含む骨盤臓器脱を起こしているというデータもあるので、人ごとではありません。膣に何か挟まっているような違和感も伴うため、異変を感じたらすぐに医師に相談をしてください

 鏡でチェックする習慣と一緒に、手軽にできるセルフケアも取り入れたい。

乾燥には保湿とマッサージがおすすめ。お風呂上がりなど清潔な状態で、弱酸性のデリケートゾーン専用ジェルなどを使い、軽く指を押し当てながら性器全体に塗り広げます。

 膣の中にも指を第二関節あたりまで入れ、入り口を指の腹でぐーっと1分間ほどやさしく圧をかけることで膣の内側がほぐれて血行がよくなります。血流がよくなると肌細胞に酸素や栄養が行き渡りやすくなるので、乾燥の改善や予防になるのです

 体調が悪い時は避け、ジェルやオイルは「膣の中まで使用可能か」をチェックしよう。

膣の中にまで保湿剤を入れてマッサージをすることに抵抗がある人は、外陰部だけでも毎日行うことで、血行がよくなりふっくらしてくるので、まずはそこから試して

 加齢のためと諦めがちな尿漏れには、骨盤底筋群を鍛える上図のケーゲル体操が効果的。

ただ、尿漏れはお腹に力を入れた時に起こる腹圧性尿失禁、少しずつ尿があふれてきてしまう溢流性尿失禁など、さまざまな種類があり、原因が異なります。症状がひどい方は、早めに婦人科か泌尿器科の受診を