簡単なリハビリでしつこいめまいも改善

 ストレスはめまいを感じやすくさせ、しかも治りにくくしてしまうため、心の状態も大事だという。では、どんな時に病院を受診するのがいいのだろうか。

「めまいは基本的に命に関わる病気ではなく、自然によくなることが多いので、様子を見る人も多いでしょう。ただ、なかなか治らない、または症状が進行しているような場合には、危険な病気の前兆のこともあるので、精密検査をおすすめします

 病院では、目の動きを調べる眼振検査や、身体のバランス機能を調べる50歩足踏み検査、聴力検査のほか必要に応じてMRIなどの検査を行うが、前述したようにめまいには心も関係しているケースも多いため原因の特定は難しいことも少なくない。

検査をすると、だいたい3~4割の方は異常が認められません。そう言うと、ほとんどの方は安心されますが、中には“異常がないのになぜめまいが起こるんですか”と納得がいかず、ドクターショッピングを繰り返す人も。そういった方は“難治化”しやすい特徴があります

要注意!めまいが治りにくい人チェックリスト
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【写真】要注意!めまいが治りにくいかわかるチェックリスト

 そこで五島先生がおすすめしているのが自分で治す“リハビリ体操”だ。

「リハビリ体操は頭を動かすことで、三半規管に迷い込んだ耳石を溶かしたり、元の場所に戻す効果があります。ウイルス感染が原因の前庭神経炎のような治らないめまいの場合でも、リハビリで症状を和らげることができます

 継続的に行っても症状が改善しない場合は、運動療法や、骨粗しょう症の治療、睡眠療法などを並行して行う。生活習慣の見直しがめまいの改善や再発防止につながるからだ。また、まれに手術を行うケースもある。

「めまいがあって外出自体がトラウマになっている方もいます。リハビリ体操や生活の見直しで予防をしながら、めまいが起きた場合の行動を想定したり、市販薬の『トラベルミン』を携帯しておくなど、発作が起きた場合に備えると心の安定にもなります。

 季節の変わり目の春はめまいが起きやすい時季でもありますが、それにおびえずに前向きに過ごしてほしいです」