そして、「更年期の症状になって、仕事ができなくなってしまったら困るから」という理由で踏みきった。もともと、美容や健康の情報の収集が趣味でもあり「いいな、と思ったものはまず試してみる」という。
「まずは、低用量ピルを飲みました。女性ホルモンが配合されていることから、最近は服用する人が増えています。53歳になったあたりでホルモン補充療法に切り替えましたが、今まで、いわゆる更年期の諸症状を実感したことはありません。アンチエイジングも実践していますが、予防しておいたので乗り切れているのかなぁと思っています」
開始するにあたって不安だったのは、乳がんのリスク。
「ネガティブな情報がよく耳に入ってきたので、正直そこは考えましたね。始めるにあたっては、婦人科専門医に受診し、先生からは実際のリスクはとても低いという研究結果を説明してもらいました。さらに、保険がきくので1回につき数千円程度で抑えられます。副作用もなし。3か月に1度は、受診し診察をしてもらい、がんなどのチェックもあるので安心です。ですから、たとえ更年期の症状が出ていなくても、45歳を過ぎたら婦人科に行ってみることを、私はオススメします」
年齢や出産経験の有無、子どもの人数、環境やストレスによって、ホルモンの分泌量は人それぞれ。
「女性がすこやかに生きるためには、ホルモンが足りているかいないかはとても重要。欧米では20歳になったお祝いに婦人科全般の検診に行くという習慣があることを考えれば、日本は遅れています。予防しておけば、さまざまなリスクを避けられ、年齢を重ねるのも怖くないのに、ね」
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坂本紗有見さん
銀座並木通りさゆみ矯正歯科クリニック院長。日本アンチエイジング歯科学会理事。
同性同士でも更年期への理解が低い
更年期を迎える女性を健康づくりの面からサポートしている“NPO法人ちぇぶら”。その代表理事を務める永田京子さんは、講演会やセミナー、エクササイズなどで、自分の身体と向き合うライフプランを提供している。このような取り組みを始めるきっかけとなったのは、こんなエピソードからだそう。