カルシウムをたくさんとると死亡率がUP?

「ホントです。とりすぎは死亡率を高めるといわれています」

 そう指摘するのは、医師の稲島司先生。スウェーデンのウプサラ大学の研究によれば、1日に1400mg以上のカルシウムを摂取していた女性は、平均摂取量である600~1000mgの女性に比べて、死亡率が1・4倍も高かったという。

「原因ははっきりしていませんが、カルシウムをとりすぎることで血管にカルシウムがついて硬くなり、動脈硬化が進んだためと考えられています。

 動脈硬化はコレステロールが沈着することで起こりますが、さらにカルシウムが沈着することで、より硬くもろい動脈になってしまうのです」

 動脈硬化は心筋梗塞や脳卒中など、命にかかわる大病につながりかねない。

「厚労省がすすめる推奨量は女性650mg、男性700~800mg。これを目安に、とりすぎにはご注意を」

カルシウムをたくさんとると骨折を防げる?

「これはウソ。カルシウムを多く摂取すれば骨折を予防できるというデータはありません」(稲島先生)

 カルシウムは骨の成分だけど、不足している一部の人を除けば、たくさん補充しても骨の強化にはつながらない。

「骨粗しょう症の可能性があれば受診がすすめられますが、予防としては骨に加重をかける運動をすると強くなります。関節に問題がなければ、早歩きでのウォーキングがオススメ。骨の強化だけでなく、時速5キロで歩くと健康寿命が延びるというデータもあります

 時速5キロとは、サラリーマンが都心の雑踏を歩く速さと同程度。1日20分、8000歩以上を目安にするのがベストだそう。

「女性は閉経後に骨がもろくなりやすいので、なるべく早いうちから習慣づけておくといいですね」

やっぱり朝ごはんには和食がベスト?

 健康を考えたら、これはウソ。朝は、塩分をろ過する腎臓の動きが最も低下している時間帯。みそ汁に焼き魚、漬物と塩分の多くなりがちな和は、実は朝に不向きなのだ。

 また、国立がん研究センターの調査では、日本の伝統的な事をとっている人に比べて、肉類やパン、コーヒーなど欧米型の事を好む人のほうが死亡率は低かったという。

「和自体は悪くないと思いますよ。みそや漬物などの発酵品は、大腸がんや胃がんのリスクを減らすという報告があります。反対に、ハムやベーコンなどの加工品のとりすぎは、大腸がんのリスクを高めます。

 減塩を心がけた和をベースに、卵などを添えてタンパク質を強化した朝がベストといえそうです」(前出・植田先生)