「ただ面白いものをずっと作りたい」
そのひとり芝居は、このようにして“誕生”した。
「'71年に演劇がやりたいと思って活動を始めて、最初は昼間に建築現場で働いて、夜に演劇学校に行っていたんです。
だから最初からひとりではなくて、みんなで芝居をやっていたんですが、やがて次々とやめていって、ひとりになっちゃって。そんなときに、『お笑いスター誕生!!』って番組を見たら、ひとりで芝居をするスタイルがあることに気づいたんです」
そこから今のスタイルが確立される。
「演出家と夜の公園や彼の家に行ってネタを作って“スタ誕”に出演したら、大阪の広告代理店の人が“これまでのネタをまとめて、大阪でやりません?”って声をかけてくれて、いまのひとりで何人かを演じるライブのスタイルができたんです。
ここまでやってこれたのも、ただ面白いものをずっと作りたいとか、どうにかなるだろうって考えが最初からあったからだと思います。役者として食べていける、いけないは真剣に考えたことはなかったな(笑)」
そんな彼は、最近ある趣味に目覚めた。
「トランペットを始めたんです。役で吹くシーンがあったんで、先生に教えてもらって一生懸命、稽古して。昔からギターはやっていたんですが、吹く系の楽器は絶対向いてないと思っていたら意外や意外、いろんな音色が出てね。最近、プラスチックのトランペットを買ったので、昔の4ビートのジャズとか、それっぽいものを吹けたら楽しいだろうなって思います」
冬の恐怖体験
「初めてスキーをやったときは倒れられなくてビックリしたね。スキーって前に倒れれば止まると思い込んでいたんです(笑)。
だけど、いざスピードが出てきて止まろうと思ったら板が邪魔して前に倒れられないし、焦って後ろに倒れても止まれずさらにスピードが上がって。最終的には横に倒れるのを思いついてなんとか止まりました。倒れないスキーは怖いね(笑)」
『漫画誕生』
ユーロスペースにて公開中。12月21日(土)から名古屋シネマテークにて公開。ほか全国順次公開。製作・配給:アースゲート