事故に遭わないために心がけること
開設を中止する海水浴場の多くでライフセーバーや監視員が不在になる。砂浜で注意しながら遊ぶぶんには問題ないが、遊泳をすると危険が伴う。茨城県では6月に、監視員のいない海で水難事故が発生、2人が亡くなっている。
しかし、海は公共のもの。開設中止の海岸で遊泳しても罰則があるわけでもなく、来場の禁止もできない。管理者や自治体は中止を呼びかけたり、駐車場を閉鎖するなど措置をとるが、海水浴場を開設していなくても一定数の遊泳客が訪れることが各地で予想される。
神奈川県は『日本ライフセービング協会』と協定を結び、パトロールなどを依頼。他の自治体でも安全対策に頭を悩ませる。
「開設中止だと例年のような安全対策が取れません。十分に注意をし、自己責任のもとで利用をしてもらうことになります」(同協会の担当者)
事故を防ぐ! 海水浴場の5つのNG行動
各海水浴場は遊泳ルールを決めているはずなので、それを守ることは絶対だ。さらに事故を防ぐための5つのNG行動を担当者に聞いた。
【1】子どもから目を離す
「絶対に手が届く範囲で遊ばせてください」
【2】浮具の使い方、サイズが間違っている
ライフジャケットを着用してもサイズが合わない、正しく装着されていないと危険。
「海中でライフジャケットは浮き、身体は沈みます。密着してないと溺れる原因に」
【3】飲酒して遊泳
「お酒を飲んだら海には入らないでください」
毎年、飲酒後の死亡水難事故も後を絶たないという。
【4】熱中症対策を怠る
「頭痛やめまいを感じ失神(意識消失)することもある」
そんな状態で遊泳すれば溺れる危険性は高まる。
【5】パニック状態になる
自然要因で溺れた救助者の半数は離岸流が原因だった。離岸流とは海岸に打ち寄せた波が沖へ戻ろうとするときにできる早く強い流れ。波打ち際で巻き込まれ、大人も軽々と流される。
離岸流の発生や危険な波の高さを判断するのは難しい。
突然の強い流れでパニック状態になったり、その流れに逆らい岸に向けて泳げば疲労で逆に溺れる危険もある。
泳力があれば浜に向かって45度の方向に泳ぎ、自信がなかったり、疲れていたら浜と平行に泳ぎ、強く引く流れから抜けたら岸に向かう。もしくは慌てずに浮いた状態で救助を待とう。はるか沖まで流されることはない。