血液でわかる! アミノ酸バランスで7つのがんリスク評価
アミノインデックス(R)
1回の採血(5ml程度)で7つのがんリスクを評価する検査。各疾病によって、血液中のアミノ酸の濃度バランスが変化することから、それぞれのがんの可能性を評価。
人体の約20%は、20種類のアミノ酸がつながったタンパク質でできているが、血液中にはバラバラになったアミノ酸が存在する。がんにかかるとこの血中アミノ酸のバランスが崩れ、健康な人とは異なる割合になる。さらに、がんの種類によって特定の崩れ方をすることがわかっているのだ。そこで味の素(株)が約2万検体のデータを解析してスクリーニング検査として実用化。がんリスクのほか、2017年に生活習慣病のリスク、2019年には、脳卒中・心筋梗塞、昨年には認知機能低下のリスク検査もセットで提供開始した。全国約1500の医療施設で行うことができ、人間ドックのオプションのほか、単独でも検査が可能。
血液でわかる! マイクロRNAで最大13項目のがんリスク評価
がんに罹患すると、がん細胞から血液中に分泌される小さな顆粒があり、その中にマイクロRNAという遺伝物質が入っている。マイクロRNAとは、約22個の遺伝子情報からなる小さなRNA(リボ核酸)。各がんで特徴的な複数のマイクロRNAを検出し、その量の変化を測定することで、がんリスクを評価する検査だ。
血中のマイクロRNA量は、早期から変化し、非常に高感度で検出できるため、初期のがんを発見できる可能性が高い。他のリスク検査同様に、画像検査等では確認できないグレーゾーンやステージ0レベルでも疾患の可能性を発見することができる。特にその力を発揮するのが、早期で発見すれば「治るがん」ともいわれている乳がんや、見つけにくく進行が早い膵臓がん、また、他のリスク検査には含まれない甲状腺がん、脳腫瘍、胆嚢がんなどのリスクも評価できる。
乳がん、膵臓がんは単独検査が可能だが、他のがんはセットによる検査となる。単独検査にはアルツハイマー型認知症のリスク検査もある。
教えてくれたのは……砂村眞琴先生●医師、大泉中央クリニック院長、東京医科大学八王子医療センター消化器外科・移植外科兼任教授。研究者でもあり、唾液によるスクリーニング検査の開発を行い実用化
(取材・文/山崎ますみ)