勝見 いいえ。私は、年を取る、老いることが何よりも怖いんです。だから、いつまでも元気でいたい。少しでも老化を遅らせるために、日々研究しているし、努力をしているんですよ。
でも、それも新しいチャレンジ。
私はチャレンジすることが大好きだから。結果、自分の好きなことをやっているんですね。
西出 素敵です!マイナスをプラスに変えて、好きなことに結びつけていらっしゃるのですね。
勝見 うちの社名は、親しみやすさを込めて「銀座・トマト」にしたのですけれど、以前(東京都)中央区の区長さんに「“トマト”なのに、トマトは作ってないのですか?」と言われ、「ああ、そうだった!」と。
そこで、千葉県に農場を作ってトマトを栽培し始めました。しかも、そこで作っているうちのトマトは健康への有効性が期待できるんですよ。
また、「銀座ではトマトを作ってない」ということにも気づきまして。「銀座のビルの屋上でトマトを作ろう!」と計画し、場所も用意できたのですが、もろもろコロナ禍で頓挫してしまいました。
でもその場所を、このたびデトックスをコンセプトにした究極の美と健康のためのレストランにしたんです!
いつも新しい何かをしていたい。若者をはじめ、新しい価値観を持っている人に学ぶべき。
私たちの世代はそれぞれがさまざまな苦労を体験してきているけれど、それは通過点であって、自慢すべきものではないと思います。
西出 過去に固執せず、時流に身を任せる柔軟な考え方と生き方……。素晴らしいです。
ご主人さまも地映子社長と同じようなタイプの方なのでしょうか。
勝見 主人は、私と正反対の性格なのですよね(笑)。とてもおっとりしていて、穏やかな人です。そして心からの「ありがとう」を、人を感動させる言い方で言える人です。
でも、お互い苦労を乗り越えたうえでの再婚同士ということもあって、覚悟を決めた仲でもありますね。
西出 素敵な大人のご夫婦でいらっしゃいます。地映子社長は強運だから、つらいことや失敗などはなかったんですよね。
勝見 何度も人に裏切られたし、脳出血で顔の半分が能面のようになり、その後生死の境をさまよったこともありますよ。
でもね、それは苦労でも、失敗でもない。
私にとってターニングポイントであり、気づきだったと思うんですね。
もし、前の主人と別れないでいたら、今頃私は通販番組の出演者ではなく、視聴者の立場だったのかもしれませんから。
おせんべいなんか食べながらね、「あ、地映子社長の紹介してるこの商品素敵ね、買っちゃおうかしら?」なんて。まあ、それも楽しい人生だったとは思います(笑)。
西出 地映子社長ったら本当にチャーミング!こんな素敵な人生の先輩がいるんですから、とても心強いですし、幸せです。
いつまでも、地映子社長の応援団長として(笑)、どこまでもついてまいります!
取材・文/木原みぎわ 写真協力/遠藤アスミ