GACKTはスピンドルで17億円を手に入れて…
SPINDLE(スピンドル)とは、2017年に生まれた仮想通貨。実業家としても活動しているGACKTはそのプロジェクトに参画し広告塔を務めていたため、通称「ガクトコイン」とも呼ばれていた。
「GACKTは知名度を使い、ファンを集めたイベントでは『1000万円が2億になった』『今までとは考えられない儲け方』と、ファンからの投資を募っていました。
また、投資家向けのセミナーで『代理店になったほうがいいと思います。仮想通貨の販売手数料は異常で25%入るんです』と語っていて、プロ野球選手、ミュージシャン仲間、投資家などからも約100億円を集めたそうです。彼の目的は高額な代理店収入だったのではないか、と疑われたんです」(マネー誌記者)
当時からスピンドルの違法性を指摘する著名人も複数いた。しかし、GACKTの宣伝効果もあってか、2018年5月にスピンドルは上場。しかし……。
「その後、上場前に総額220億円の金が集まったが、いざ2018年5月、世界5カ所の仮想通貨取引所に上場されると大暴落。上場前には最高で1スピンドル200円だったのが、一気に1円以下になってしまったので、投資家たちもたまったものではありません(2023年8月17日現在は0.0005円にまで下落)。一方で、GACKTは広告塔としての報酬や、上場前に売り抜けたおかげで約17億円の金を手に入れたと報じられています」(同前)
散々有名人が宣伝したのち上場後に大暴落ともなれば、投資家が「詐欺だ!」と感じるのも無理はないだろう。各メディアが一斉に報じたが、2018年8月27日にGACKTはブログで本件に触れ「アホらし」と一蹴し、さらに炎上する結果となった。
《色んなことが書かれていた。酒のツマミには十分なほどネタが満載だった。大いに笑わせてもらった。色んな記事が次々と飛び出して、挙げ句の果てにはボクが海外に逃亡しただだの、ファウンダーがロシアに逃げただの。アホらしくていちいちコメントするのもウザいが、ボクは6年前から拠点を海外に移しすでに移住している。今更何言ってんだ?って話だ。そのうち突然、GACKT死亡とか流されそうだ》(原文ママ)
仮想通貨の事情に詳しいエンジニア・起業家である中島聡氏も当時、その違法性を指摘。2020年、複数の大手メディアの記事をもとに、本件についてまとめた自身の『note』で、《米国であれば、GACKTは確実に牢屋に入っているぐらい悪質な詐欺》と断罪したうえで、こう続けている。
《私から言えばこれは、法律が整備される前の『出資詐欺』と全く同じ手口であり、現行法を適用しても十分に犯罪行為として立証できるし、さらなる法律改正により、この手の事件が二度と起きないように厳密に取り締まるべき重大な詐欺事件です》