新薬は特にアレルギーに注意
「臨床データが少ない新薬は、実は研究者でも安全性を断言できないことがほとんど。そこで、新薬による副作用を防ぐことを目的に、国ではルールを設けています」
そのルールは、3つある。新薬の期間は、国が承認してから1年。その間に臨床試験だけではわからなかった効果や副作用の事例を集めるなど、対策がとられているのだ。
「新薬をすすめられたときに、使用すべきか迷うこともあると思います。つらい症状が新薬で解消する可能性に期待するのなら『使用する』。でも、不安なら1年待って『効能の程度や副作用などの情報を得てから判断』という選択肢もあります」
また、新薬を使用する場合、服用後に違和感があったら、すぐに医師に連絡をすることが大切だ。
「危険なのは、アレルギー症状です。薬に対してのアレルギーは、どんな名医でも処方の段階で判断するのは難しいといわれています」
特に、臨床データが少ない新薬は、アレルギーに注意が必要だという。
「心配な人は事前にアレルギーがあることを医師や薬剤師に伝えてください。服用後、突然、体調が変化したときの対処法を確認しておくと安心です。
もしも、新薬による副作用で入院するような健康被害が起きた場合、医療費、医療手当、障害年金の給付などを行う『医薬品副作用被害救済制度』があることも、覚えておくといいですよ」
新薬3つのルール
(1)市販直後調査
製薬会社は、販売されてから半年間は重点的に調査する。
(2)特別調査
治験では対象外とされている、小児、高齢者、腎臓や肝臓に病気を抱えた人たちに対する使用調査をする。
(3)新薬投与制限
新薬は1年間、原則14日以下で処方する。