朝食前に自分のペースで
現代人の多くに見られる骨盤の後傾により、直腸が圧迫されて曲がっていることが便秘の隠れた原因とする「直腸屈曲仮説」。それをもとに考案されたものが「直腸ストレッチ」だ。
「便秘に悩む患者さんたちに1日1回、自宅でストレッチをしてもらったところ、全員が約1週間で効果を実感したという、うれしい反響がありました」
30代のスポーツアスリートのT・Yさんは、ひどい便秘ではないものの、環境が変わると、3日ほど便通がないことがよくあったという。
「ストレッチを行っているときから、腸がグルグルと活発に動くのを感じ、即効性があるな、と驚きました。2週間ぐらい続けると、毎日やらなくても便秘になりにくくなりましたが、今では朝や寝る前の習慣になっています。先日の海外遠征でも便秘にならず、競技に集中できました」
40代の主婦のS・Mさんの便秘歴は高校時代から。5日間出ないこともあるが、下剤は貧血になるため在宅の日にしか使えず、便秘のツボを調べるなど、自己流で模索しても改善できなかった。
「やり始めて4日目ぐらいから効果が表れ、朝食後、すぐにトイレに行くようになりました。最初の1か月で体重が8kg減りましたし、肌がきれいになったのもうれしい効果。現在も毎朝ストレッチを行い、ほぼ毎日、快便です」
今回はその直腸ストレッチから効果が高い3つをご紹介する。
「骨盤後傾を改善するには、今、こり固まっている筋肉をゆるめることが大切です。太ももの裏側にあるハムストリングスが硬く萎縮していると、骨盤が後ろに引っぱられてしまいます。
この筋肉が伸びれば骨盤が垂直になり、内臓への圧迫も軽減。おのずと直腸もまっすぐになります」
さらに「の」の字ならぬ、「ぬ」の字マッサージで肝臓と腸の働きを活性化しよう。