30秒×2週間で大腰筋は鍛えられる

 そこで、スゴイもも上げを続けて、実際に効果を実感したという2人の女性に話を聞いた。1人目は、膝の痛みに悩まされ、まったく運動していなかった70歳の女性。

「2週間続けたところ、ももが1cm高く上がるようになり、椅子から立ち上がるのもスムーズに。腰回りも締まって、ダイエット効果も実感しました。

 さらに144mmHgと高かった血圧が2週間で136mmHgに、1か月後には113mmHgにまで下がったのです。30秒のエクササイズで、これだけ効果が出たのでとても驚きました」

 もう1人はももが上がらなかったという75歳女性。

「2週間でももが5cmも上がるようになりました。また、椅子から立ち上がる時間が14秒から10秒まで短縮され、日常の動作がスムーズに。朝起きた時の膝のこわばりもなくなりました」

 2人とも70代だが、たった2週間で膝が高く上がるようになり、大腰筋を鍛えることに成功した。

「筋トレの効果は個人差が大きいですが、これまで運動をしていなかった人ほど、効果が出やすいんです。膝の痛みが消える、立ち上がりやすくなるなど、日常の動作がスムーズになることで日々の運動量が増え、血圧の低下、体脂肪の減少など生活習慣病予防に役立つケースも。

 身体を動かすことで気持ちも明るくなり、外出する機会も増えて、より体力アップにつながります。もも上げをその第一歩にしてほしいですね」

「もも上げ」のやり方

(1)頭、肩、腰、手のひらを壁につけ、足は壁から10〜15cmくらい前に出して立つ。

(2)片側のももをできるだけ高く上げ、1秒間止める。ももを上げるとき、つま先は下向きに伸ばす。同じ動作を左右交互に30秒間繰り返す。

《POINT》猫背や反り腰になると、大腰筋をうまく刺激できないため、壁にしっかり寄りかかること。ももをなるべく高く上げ、きちんと止めることでより効果的な運動になる。大切なのは毎日続けること!

吉原潔先生●整形外科専門医。フィットネストレーナー。医学博士でありながら、運動療法や筋肉トレーニングにも精通し、多角的な診療を実現。
吉原潔先生●整形外科専門医。フィットネストレーナー。医学博士でありながら、運動療法や筋肉トレーニングにも精通し、多角的な診療を実現。

教えてくれた人……吉原 潔先生●整形外科専門医。フィットネストレーナー。医学博士でありながら、運動療法や筋肉トレーニングにも精通し、多角的な診療を実現。著書に『ドクターズスクワット 医者が考案した「30秒で運動不足を解消する方法」』(アスコム)など。

吉原先生の著書『ドクターズスクワット医者が考案した「30秒で運動不足を解消する方法」』(アスコム)  たった30秒で、体力の低下に歯止めをかけ、若返りを目指すことができる「スゴイもも上げ」を紹介。体力の要でありながら知らないうちに衰えていく大腰筋を効率よく鍛え、健康寿命を延ばすことができるヒントが満載。 ※画像をクリックするとAmazonの商品ページにジャンプします。

取材・文/伊藤淳子