人生を変えた人工股関節の手術
40代の高岡さんを襲ったのは更年期障害だけではない。股関節の軟骨がすり減り、骨同士がこすり合うことで痛みが生じる変形性股関節症も発症した。
「歩いていると腰がだるくなることが増え、痛みも出てきたので病院に行ったところ判明しました。私の場合、遺伝的な要因に加えて、若いときにスポーツをやりすぎたことも原因だったようです。50代、60代と、だんだん痛みが増して、歩き方が不自然になったり、大好きなスポーツも身体への負担が少ない水泳以外、できなくなりました」
我慢できていた痛みは70歳を過ぎて劇的に悪化。100m歩くことも苦痛で外出が困難になり、ついにはトイレに行くときも這(は)いつくばって移動していたという。
実は股関節の疾患は日本人女性の6人に1人が患っているといわれるほど身近なもの。高岡さんの知人も変形性股関節症を患い、傷んだ股関節を人工物に替える「人工股関節置換術」を受けていたが、歩き方まできれいに治ることは少なく、手術に抵抗を感じていた。
ところが、同じ病気で脚を引きずっていた友人が手術後に美しいフォームで歩いている姿を見て衝撃を受ける。
「調べてみると、最近は手術方法が進歩していることがわかって。もちろんリハビリも必須ですが、術後もきれいに歩けるならと、気持ちが変わりました。このまま寝たきりの人生を送りたくないし、仕事中も愛用するほど好きなヒールを履けなくなるのは絶対にいやだと思い、手術に踏み切りました」
こうして76歳のときに両側の人工股関節置換術を受ける。同じ病気に悩む人の参考になればと術後の経過をブログに書き始めると、医師であり患者でもある意見は説得力があると徐々に読者が増えていった。
さらに、運動できずに太ってしまった体形を戻すため、主治医の許可が下りた術後3か月から、身体のゆがみを直すピラティスや体幹トレーニングを開始。
「運動に制限がなくなった1年後には、パーソナルジムでウエイトトレーニングを始めました。すると体重がグッと減り始め、1年3か月後には50kgあった体重が40kgになり、ウエストは23cm減って55cmになったんです」
ウォーキングレッスンも受けて、歩き方も改善。ボディメイクが成功すると、ジムの担当トレーナーからコンテストに出ないかとすすめられ、78歳のときに関西で開催された「ミズ椿」に出場し、準グランプリを受賞。翌年には、女性の社会的地位向上という大会趣旨に共感した「ミセスユニバースジャパン」へのエントリーを決めた。
「人工股関節の手術をしても、これだけ元気でいられるよと同じ病気の人たちに勇気と希望を届けたい一心でした」