ストレッチで老い知らずの身体に

 物価高の影響もあり、手が出しにくい魚料理には、缶詰や干物を活用することも。

「サバ缶や、アジやサケの干物を常にストックしています。本当は新鮮な生のお魚がいちばんですが、食べないよりは加工品を活用するのも大事かなと」

 間食は甘いお菓子を避けるのもポイント。

「余分な糖は体内でタンパク質や脂質と結びついて“糖化”が進み、シミやしわなど肌の老化として現れますから、とりすぎは禁物。どうしても食べたいときは小皿に少量を取り分けて“これしか食べない”と決めて食べるのがおすすめ。

 私は小腹がすいたときは、炒り豆やゆで卵、チーズなど低カロリーでタンパク質がとれるものを食べるようにしています。特に炒り豆は安くてお気に入り。最初は味けなく感じるかもしれませんが、よく噛んで食べると甘みを感じられ、腹持ちもいいですよ」

高岡さん流「心と身体を美しく保つ3つの習慣」
高岡さん流「心と身体を美しく保つ3つの習慣」
【写真】81歳の女医・高岡先生の見事な16センチヒール姿

 3つ目は「ストレッチ」。高岡さんはコンテストを意識して、パーソナルジムを週2回、ピラティスを週1回、ウォーキングレッスンを週1回、そのほか単発のレッスンを含めて週5日トレーニングを行っている。80代とは思えない運動量だが、身体づくりの基本になっているのは自宅でのストレッチだという。

股関節を柔軟にする『カエル体操』は特に大事です。私はこれを怠ると股関節が硬くなって膝の曲がった歩き方になってしまうので、毎日欠かせません

 運動不足や長時間座りっぱなしでいることで股関節が硬くなると、姿勢が悪くなったり、腰痛を起こしやすくなる。

 逆に、股関節の柔軟性が高まると股関節痛や腰痛、ケガのリスクが減るだけでなく、骨盤が正しい位置に戻ってぽっこりお腹が改善したり、血流がよくなって冷えやむくみが緩和するなど、多くのうれしい効果が期待できると高岡さん。

「『カエル体操』は特別な道具は必要なく、5分あればできるので、ぜひ気軽にやってみてください。ただ、股関節が硬い方は無理をすると痛みが出るので、できる範囲で少しずつ取り組むのがいいと思います。毎日続けると、股関節がやわらかくなって全身の血流がよくなったなど変化を感じられますよ」

 最後に、週女世代の50代~60代女性に向けて、アドバイスを聞くと……。

「この世代は子育てや親の介護が重なる人もいて、人生で一番忙しい時期。私も仕事をしながら両親の介護をしていて、われを忘れるくらい頑張っていました。

 でも70歳を過ぎて解放されたときには股関節の痛みがピークに達していて、そこでようやく自分の身体に向き合えた。なので、大きな不調につながる前に、時には手を休めて自分の心と身体に寄り添う時間をとってくださいね」

 また、これからもいろいろなことに挑戦して、“シニア女性”のイメージを変えていきたいと微笑(ほほえ)む。

古希や喜寿も経験したけれど、全然年をとった気がしないし、やりたいこともまだまだたくさん。90歳になってもハイヒールを履いて、元気なシニア女性代表を目指します