高尿酸値にはカフェオレ

 尿酸値が高い原因は脂ものやアルコールの過剰摂取、運動不足が原因といわれるが、尿酸値対策には、乳製品とコーヒー、そしてビタミンCの摂取を心がけたい。

 特に乳製品にはカゼインやラクトアルブミンというタンパク質が含まれ、これらが尿酸の排泄によいという。牛乳はプリン体も低いので、高尿酸血症のリスクも減る。

身体にたまった尿酸を尿として排泄するためには、身体をアルカリ性にする必要があります。乳製品は尿をアルカリ化してくれる作用があるので、尿酸が尿として排出されるんです。そしてコーヒーには尿酸値を下げるポリフェノールが含まれているので、カフェオレを飲めば一石二鳥です。

 ただし糖分は入れないようにしましょう。ほかにもビタミンCを1日200mg~2000mgとると尿酸値が下がったというデータもあります。中央値は500mgですので、カフェオレに加えてビタミンCもそのくらい摂取するのがよいでしょう」(杉岡先生)

牛乳やヨーグルトなどの乳製品はプリン体が少なく、尿酸を排出する働きがある。コーヒーも尿酸値を下げる効果が ※写真はイメージです
牛乳やヨーグルトなどの乳製品はプリン体が少なく、尿酸を排出する働きがある。コーヒーも尿酸値を下げる効果が ※写真はイメージです
【写真】血糖値のコントロールをする「7秒スクワット」

腹式呼吸を取り入れたマインドフルネス

糖尿病にかかわらず、さまざまな病気はストレスが原因だとよくいわれます」と話すのは矢野先生だ。

 人間はストレスを感じるとコルチゾールやアドレナリンといったホルモンを分泌。すると脂肪や筋肉などを分解して肝臓で糖新生が起こるため、血糖値がさらに上昇するのだ。

仕事などでストレスを感じると、身体が疲れやすくなったり過食に走る患者さんは多く、結果的に生活習慣病が悪化してしまいます。

 うつ病の高齢女性は、2型糖尿病やインスリン抵抗性の頻度が2倍に上昇するというデータがありますし、カナダの女性を9年間追跡調査したところ、仕事のストレスが多い人は、そうでない人と比べて糖尿病を発症するリスクが2倍になることもわかっています。生活習慣病を意識するうえでストレスをためないことは、食事や運動と同じくらい重要です」(矢野先生、以下同)

 マインドフルネスとは瞑想(めいそう)の一種で、現在起こっている状態に意識を向ける心理的なプロセスのこと。一見すると生活習慣病とは関連がなさそうだが、そうではないという。

マインドフルネスを行ったところ、ヘモグロビンA1cの値と空腹時の血糖値が低下したことがわかっています。血圧の低下や血中コレステロール、免疫力の改善なども期待できると検証されているところなんですよ。これを日常生活に取り入れるなら、手軽に行えてストレスがかからない腹式呼吸を用いたマインドフルネスがよいでしょう」

 腹式呼吸のやり方は(1)背筋を伸ばして鼻から息を吸い込み、へそから指3~4本分下にある丹田(たんでん)のツボを意識し、そこに空気をため込むイメージで腹部を膨らませる(2)口からゆっくり息を吐き出し、身体の中にあるものをすべて出し切るイメージで腹部をへこませる。

「このとき、吸う時間の倍の長さをかけて息を吐くのがポイントです。1セット5回として1日1セットから始め、慣れてきたら1セットを10回にして3セット行ってください。マインドフルネスはリラックスできる環境であぐらになり、意識を呼吸に集中させましょう。

 そのうえで鼻呼吸や先ほどの腹式呼吸を、ゆっくりと1分間繰り返すことを1~2か月続けてみてください。慣れてきたら時間を5分間、10分間と徐々に伸ばしていきましょう。鼻呼吸の場合は鼻から吸って鼻から出すのが基本ですが、口から息を吐いても問題ありません」

腹式呼吸を行い、意識を呼吸に集中。ストレスや不安を取り除くことで、免疫力の改善、血圧、血中コレステロール、血糖値の低下なども期待できる ※写真はイメージです
腹式呼吸を行い、意識を呼吸に集中。ストレスや不安を取り除くことで、免疫力の改善、血圧、血中コレステロール、血糖値の低下なども期待できる ※写真はイメージです

 通常の瞑想では、「呼吸」に集中するが、「歩行」に集中する歩行瞑想もよいという。

歩行瞑想とは、歩きながら行う瞑想のことです。足の裏が地面を離れ、再び地面につくまでの足の感覚に集中します。そのほか、音に集中するという瞑想も。音は音楽、生活音のどちらでもよいです。耳から聞こえてくるものに絶えず集中するという方法です

 身体と心を整え、なるべく薬に頼らない生活を目指そう。

教えてくれたのは……

杉岡充爾先生●すぎおかクリニック院長。医学博士、日本内科学会認定内科医、日本循環器学会循環器専門医。専門は循環器内科。登録者数14万人以上のYouTubeチャンネル「ドクターすぎおかのスーパー健康サポートTV@すぎおかクリニック千葉県船橋市」で健康について発信する。
杉岡充爾先生●すぎおかクリニック院長。医学博士、日本内科学会認定内科医、日本循環器学会循環器専門医。専門は循環器内科。登録者数14万人以上のYouTubeチャンネル「ドクターすぎおかのスーパー健康サポートTV@すぎおかクリニック千葉県船橋市」で健康について発信する。

杉岡充爾先生●すぎおかクリニック院長。医学博士、日本内科学会認定内科医、日本循環器学会循環器専門医。専門は循環器内科。登録者数14万人以上のYouTubeチャンネル「ドクターすぎおかのスーパー健康サポートTV @ すぎおかクリニック千葉県船橋市」で健康について発信する。

宇佐見啓治先生●うさみ内科院長。日本糖尿病学会所属。日本内科学会認定医。福島赤十字病院勤務などを経て、うさみ内科を開設。専門分野は内科全般、糖尿病・高血圧・脂質異常症・肥満などの生活習慣病治療。約30年前から糖尿病の運動療法に筋力トレーニングを取り入れ、普及活動に励んでいる。
宇佐見啓治先生●うさみ内科院長。日本糖尿病学会所属。日本内科学会認定医。福島赤十字病院勤務などを経て、うさみ内科を開設。専門分野は内科全般、糖尿病・高血圧・脂質異常症・肥満などの生活習慣病治療。約30年前から糖尿病の運動療法に筋力トレーニングを取り入れ、普及活動に励んでいる。

宇佐見啓治先生●うさみ内科院長。日本糖尿病学会所属。日本内科学会認定医。福島赤十字病院勤務などを経て、うさみ内科を開設。専門分野は内科全般、糖尿病・高血圧・脂質異常症・肥満などの生活習慣病治療。約30年前から糖尿病の運動療法に筋力トレーニングを取り入れ、普及活動に励んでいる。

矢野宏行先生●やのメディカルクリニック勝どき院長。医学博士。糖尿病専門医。2006年に日本医科大学卒業後、同大学附属病院に勤務。その後、国立国際医療研究センター研究所の糖尿病研究センターで研究に従事。YouTubeチャンネル「Dr.ゆきなり【~糖尿病克服への道~】」も好評。
矢野宏行先生●やのメディカルクリニック勝どき院長。医学博士。糖尿病専門医。2006年に日本医科大学卒業後、同大学附属病院に勤務。その後、国立国際医療研究センター研究所の糖尿病研究センターで研究に従事。YouTubeチャンネル「Dr.ゆきなり【~糖尿病克服への道~】」も好評。

矢野宏行先生●やのメディカルクリニック勝どき院長。医学博士。糖尿病専門医。2006年に日本医科大学卒業後、同大学附属病院に勤務。その後、国立国際医療研究センター研究所の糖尿病研究センターで研究に従事。YouTubeチャンネル「Dr.ゆきなり【~糖尿病克服への道~】」も好評。


取材・文/植田沙羅