——たしかに、紙の媒体は売れなくなり、テレビの視聴率も低下。世間の情報への接し方はめまぐるしく変わっています。
「いまはネットの影響もあるのか、タレントが消費されてしまうのがとても早い。グラビアアイドルでも、昔は1年くらい人気がもった子でも最近じゃ厳しいよ。
3か月、あるいは1か月で飽きられちゃうんだよね。昔のような“ヒット”がそう簡単に成り立たない時代なのかもしれない」
——となると、売り込み方も変わってきそうですね。
「そうですね。最近メディアの方々によく言われるのは“データはありますか?”っていう話。タレントが、これまでどれくらい売れてきたのかっていうデータを求めてくるんだよ。
でもさ、何事も仕事はやってみなくちゃ分からないし、そのデータがヒットを生み出すとは限らないんじゃないかな」
——芸能事務所にとっても厳しい時代だとは思いますが、できるマネジャーの条件って何でしょうか?
「“のめり込めるバカであれ”ということ。タレントがどうやって売れるのかだけを忍耐強く考え続けられる人はこの仕事に向いているね。
たとえばあるタレントの担当になったら、そのタレントの言うことを聞いているだけではなくて、この人(タレント)はどんな人なんだろうと考え続けて、新しい提案ができる人はできるマネジャーだと思うよ」
——タレントさんのことを知る努力が必要なんですね。
「“敵を知り、己を知れば百戦危うからず”という言葉があるだろ? まずタレントを知らないとテレビ局や雑誌社に営業に行けない。局のディレクターやプロデューサーたちだって、マネジャーがタレントの良さを説明してくれないと良し悪しをちゃんと判断できないわけだからね。
同じような番組や雑誌でも、求めているタレントの色は違っていて、たとえば『ヤングジャンプ』と『ヤングマガジン』のグラビアはどれも同じように見えるけど、実は使われている女の子のタイプはまったく違う。そういう小さな違いを理解したうえでタレントのプロフィールを持ち込むことが大切だね」