重度の更年期障害に

 食事と運動で健康な身体をつくる予防医学を極めようと東京に戻ることに。その後、病院の勤務医として朝から深夜まで休みなく働く状況が何年も続き、身体が悲鳴を上げたため退職。

 少しの休職期間を挟み、42歳のときに自身のクリニックを開業した。生活習慣病の運動療法をライフワークとし、65歳まで22年間勤め上げたという。

79歳で「ミセスユニバースジャパン2022」に出場した際の、ドレス審査での一枚。年齢を感じさせない堂々としたウォーキングを披露(本人提供)
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【写真】81歳の女医・高岡先生の見事な16センチヒール姿

「クリニックを後継者に譲り、海外医療支援をしようと準備していたところに東日本大震災が起きて。国際医療ボランティア組織『AMDA』の一員として被災地に6週間滞在し医療支援をしました」

 現在もAMDAの顧問、企業の産業医などを務め、幅広く活躍している。

 医師としての使命に燃え、激務をこなしてきた高岡さんだが、40代後半からは女性特有の病気に悩んでいた。

「子宮筋腫がどんどん大きくなってしまい……。担当医からは手術する必要はないと言われていたけど、私はがんになる可能性が少しでもあるならと、子宮の全摘出を決めました。いざ筋腫を取って検査をしたら早期がんが見つかって。手術を選んで本当によかったと思いました」

 しかし、その後は重度の更年期障害に苦しむことに。

「出勤中にホットフラッシュが起きてメイクが全部落ちるくらい汗をダラダラかいたり、倦怠(けんたい)感も強くて、まるで別人になったようにいろいろなことが億劫になってしまって。サプリや漢方薬などいろいろ試しましたが、私には効果がなく。

 けれど、減少している女性ホルモンを薬で投与する『ホルモン補充療法』をやってみたら、1週間で心身共に回復したんです」

 自身の体験をもとに、更年期障害に悩む女性へのアドバイスも行っている。

婦人科に行くなら、やはり更年期障害を経験した女性医師がいる病院がおすすめ。ホルモン補充療法を怖がる方は多いですが、合わないと感じたら医師に相談のうえ、いつでもやめられます。治療をする場合は、乳がん、子宮がん検診を必ず受けておくことも大切です