あとは協調性に尽きるという。
「どんな人が同居しているのかは、見学しているときにチェックを。午後のお茶の時間を狙って様子を見に行くのもいいでしょう」
“元気だが独り暮らしは避けたいという高齢者”向けの住宅ニーズはますます高まるという。
「これまで賃貸物件でシニア世代は敬遠されてきましたが、少子高齢化でそうも言っていられません。最近ではシニアに特化してバリアフリー化された分譲シニアマンションなど、新たな形態のシニア住宅も生まれています。
納得のいく老後を実現するためにも、元気なうちに情報収集を始めて、自分に合った選択肢を用意したいものです」
満田さんに聞いたシニアシェアハウスのこぼれ話
九死に一生を得た井上智子さん(70代女性・仮名)
「今ある命はシェアハウスのおかげ」
「日課であるラジオ体操に来なかった井上さん。管理人がおかしいと思い部屋に行ったところ、倒れていて。その後は本人も回復したので安心しましたが、やはり誰かと暮らすのは命のセーフティーネットなのだと思います」
SNSで事実無根の悪評
「よりよい暮らしを実現するためにも、見学は怠らないこと」
「シェアハウスの口コミで、SNSなどに事実無根の悪評を書かれたケースがあります。情報だけを鵜呑みにするのではなく、一度、住人に生の声を聞くなど見学を怠らないこと。逆に“口コミで評価が良いから”という理由で安易に選ぶのも後悔のモト」

教えてくれた人……満田将太さん●2012年、株式会社えんカウントを設立。高齢者施設紹介業に専任で従事。2017年からは一般社団法人高齢者住まいアドバイザー協会を立ち上げ、資格検定として介護保険や高齢者住まいの知識の普及に努めている。現在資格取得者は、全国で1000人以上で、千葉県山武市にある高齢者シェアハウスむすびの家の立ち上げ支援を行い、運営に携わる。
取材・文/井上真規子