生活習慣病改善にも活躍のブロッコリー
生活習慣病改善のために、糖質を控えた食事をとることがよいのは知られている。逆に、積極的にとるべき食材はというと……。
「ブロッコリーは血管に良い食べ物としておすすめです。抗酸化作用の高いビタミンA・C・Eを豊富に含み、特にEは血管拡張効果もあります。またスルフォラファンやケルセチンなどポリフェノールを多く含み、これにも抗酸化作用があるんです。
動脈硬化などは身体の酸化が関係しているといわれるので、抗酸化物質を多く含む食材をとることは、生活習慣病の改善におすすめです。
鉄や亜鉛などのミネラルも含有していて、血管を強くしたり、毛細血管の血流をよくする働きもあるんですよ。野菜のなかでも糖質と脂質が少なく、タンパク質が多いという点でもバランスが優れています」(杉岡先生)
ブロッコリーの、スルフォラファンが大量に含まれる点に注目したいというのは矢野先生。
「血糖値を下げるホルモンであるインスリンが効きにくくなる“インスリン抵抗性”を改善する効果があるだけでなく、腸内環境を整え、悪玉菌が放出するLPSという毒素を減らしてくれるんです。
このLPSが増えると肝臓や脂肪で炎症が起き、肥満や糖尿病を悪化させるといわれています。さらにスルフォラファンは糖尿病を悪化させる原因となるセレノプロテインPという物質を減らすこともわかっています。
体内に取り込まれた化学物質の解毒や抗酸化作用が高いので、血糖値を下げるだけでなく、がん予防にもなります。脂肪燃焼効果もあるので、肥満の改善にもつながるかもしれません」(矢野先生)
ダークチョコレートで酸化を予防
「抗酸化作用の高いポリフェノールが含まれ、身体に悪さをする活性酸素・フリーラジカルを撃退し、身体が酸化することを防いでくれるので、動脈硬化予防につながります。
コレステロールや中性脂肪などの脂質が活性酸素によって酸化された物質・過酸化脂質の割合を減らしてくれたり、血圧を下げる効果もわかっています。
またチョコレートを食べた人のほうが食べなかった人に比べ心臓病の罹患(りかん)率が低かったという研究も存在します。脳内神経を活性化するネットワークBDNFという物質を増やしてくれるので、脳にもいいんですよ」(杉岡先生)
「カカオ70%以上のものを選ぶとよいでしょう。カカオに含まれるポリフェノールはインスリンの分泌を増やす作用があります」(矢野先生)
